20 世紀を代表する女性デザイナー、シャルロット・ペリアン。スチールパイプの名作椅子で知られる一方で、日本の竹や木の手仕事から多くを学び、暮らしに寄り添う家具を生涯つくり続けました。
スチールパイプの名作と、アトリエでの日々
シャルロット・ペリアン(1903–1999)はパリ生まれ。装飾美術を学んだのち、1927 年、24 歳でル・コルビュジエのアトリエに加わり、家具と室内設備を担当しました。
ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレとともに発表した、寝椅子の「シェーズ・ロング(LC4)」や、肘掛け椅子「グラン・コンフォール(LC2)」は、機械の時代の新しい家具として注目を集め、今も製造が続く名作です。
1940 年、日本へ
1940 年、ペリアンは商工省の招きで来日し、輸出向けの工芸品の指導にあたりました。このとき助手として各地の工房をともに巡ったのが、のちに「バタフライスツール」をデザインする柳宗理です。
翌 1941 年に東京と大阪の髙島屋で開かれた展覧会「選択・伝統・創造」では、日本の竹や木、わらの技術を生かした家具を発表しました。竹でつくり直したシェーズ・ロングは、その象徴として知られています。

木の家具へ:暮らしのためのデザイン
戦後のペリアンは、無垢の木を使った素朴で力強い家具を多く手がけるようになります。棚板と仕切りを自由に組み合わせる書棚「ヌアージュ」や、木の板を折り曲げたようなスタッキングチェア「オンブル」には、日本で出会った美意識が息づいています。
1960 年代から 80 年代にかけては、フランス・アルプスのスキーリゾート「レ・ザルク」の開発に携わり、限られた広さでも快適に過ごせる住まいと家具を設計しました。

ペリアンの家具に出会うには
ペリアンのオリジナルの家具は数が少なく、美術館やオークションで扱われることが多い存在です。一方で、シェーズ・ロングなどの名作は、正式なライセンスを受けたメーカーから今も製造されています。
ヴィンテージ家具を選ぶときは、ペリアンが大切にした「素材の正直さ」と「暮らしやすさ」を手がかりにするのもおすすめです。無垢の木の家具や、日本の古家具に、通じる魅力が見つかるはずです。